多様な業界で活躍した著名なユダヤ人



 「ユダヤ人」という単語を聞いた時、どんな印象を持つだろうか?恐らく最も多いのは、「ヒトラーによるホロコーストの犠牲者」というが多数派であり、最近では「パレスチナを弾圧するイスラエル」というイメージが強いように思える。また、一部のオカルト界隈では「世界を影で支配する権力者」という誤った情報を信じる人たちもいる。

しかし、日本ではあまり知られていない事実だが、世界的な大企業の経営者や、著名な学者、ベストセラー作家におけるユダヤ人の割合は非常に高い。そこで今回は、誰もが知る世界的に著名なユダヤ人を紹介する。

 【ユダヤ人の定義】

著名なユダヤ人を紹介する前に、「ユダヤ人の定義」を紹介しておく。厳密にいえばユダヤ人の定義は、時代やイスラエルの帰還法などによって若干異なるが、基本的に「母親がユダヤ人である」「ユダヤ教徒である」の2つである。ユダヤ教を信仰している者は、たとえ有色人種であってもユダヤ人として扱われる。そのため、ユダヤ人という遺伝子的特徴を持つ人種は存在しておらず、同一文化を共有する民族としてアイデンティティを保って入るとされている。

しかし、過去においてユダヤ民族はキリスト教徒から迫害を受けており、「ゲットー」と呼ばれる隔離地域に閉じ込められ、ユダヤ人での婚姻を繰り返した。そのため、同一文化の共有のみならず、"知能指数が他の民族よりも高い"といった遺伝的特徴を確立したとも言われている(ノーベル賞受賞者の22%がユダヤ人)。

【著名なユダヤ人 一覧】

それでは早速、世界的に著名なユダヤ人をジャンル別に紹介してゆく。

《著名なユダヤ人〜学者編〜》


◆アルバート・アインシュタイン

言わずと知れた天才の代名詞。
彼が発表した相対性理論は、時間と空間に対する概念を一変させた。


◆カール・マルクス

彼が執筆した「資本論」は、労働者や左翼活動家に絶大な影響を与え、ソビエト連邦が建国されるきっかけとなった。資本主義の構造を解き明かし、資本家による労働者の搾取を暴いた彼の理論(マルクス経済学)は、金融危機に陥った現代において再注目されている。マルクス家は代々ラビ(ユダヤ教の指導者)の家系であり、祖父や叔父もラビであった。ちなみにマルクスの思想を引き継ぎ、ロシア革命を起こしたウラジーミル・レーニンもユダヤ人である。


◆ミルトン・フリードマン

ケインズ経済学的財政政策を批判し、公共事業や社会保障を削減し、個人や企業の自助努力によって、市場の均衡を保つという新自由主義を唱えた経済学者。レーガンやサッチャー、小泉政権の政策に影響を与え、現在でも富裕層を中心に支持者が多い。


◆ジョン・フォン・ノイマン

「ノイマン型コンピュータ」という、現代のほとんど全てのコンピュータの動作原理を発明した科学者。また、核戦略や経済理論に利用される「ゲーム理論」の成立に貢献した。幼少期に電話帳の内容を丸暗記し、8歳の時には微積分をマスターし、3つの大学を掛け持ちした上で博士号を取得するなど、超人的な頭脳の持ち主だった。


◆ハインリヒ・ヘルツ

マックスウェルの電磁気理論をさらに明確化し発展させた物理学者。1888年に電磁波の放射の存在を、それを生成・検出する機械の構築によって初めて実証した。周波数を表す「ヘルツ」は彼が由来である。(父方がユダヤ系であった)


◆ジークムント・フロイト

精神分析学の創始者であり、"無意識" の発見は、20世紀の哲学や文化に多大な影響を与えた。また夢分析、リビドー(性的衝動)、幼児性欲など、人間の行動原理が性欲や幼少期の性的虐待にあるとする独自の理論は、賛否を巻き起こした。


◆アルフレッド・アドラー

フロイトの招きで精神分析の研究に参加した。アドラーは問題の原因が過去にあるというトラウマ説を否定し、人生についての理論を「原因論」「目的論」に2分化した。怒りや問題の原因は、問題に対する認知方法に原因があるとする「アドラー心理学」は、日本において「嫌われる勇気」で一大ブームを巻き起こした。また、世界初の「児童相談所」を設立した人物でもある。

 
◆スタンレー・ミルグラム

人間の非人道的な行為は環境も原因の一つであることを証明した「ミルグラム実験」の考案者。この実験では被験者を生徒と教師の2つに分け、教師は生徒が問題に間違えるたびに、電気ショックを与えるという指示が監督者から与えられる。そして教師役の被験者はその半数以上が致死レベルの電気ショックを生徒に与えるという結果となった。彼はハンナ・アーレントの著書に影響を受け、この実験を考案したという。


◆フィリップ・ジンバルドー

スタンフォード大学地下実験室を改造した模型の刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験が行われた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者は残虐な虐待行為を受刑者に与え、受刑者役の被験者は心身症に陥るという実験結果であった。この実験は世界的注目を浴び、「ES」「プリズン・エクスペリメント」というタイトルで映画化されている。


◆バールーフ・デ・スピノザ

「エチカ」「国家論」「神学・政治論」「デカルトの哲学原理」などで知られる哲学者。彼が唱えた汎神論哲学は、無神論や唯物論に強い影響を与え、ドイツ観念論やフランス現代思想へも大きな影響を与えるなど、後世の思想に多大な影響を与えている。


◆ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン

彼が執筆した「論理哲学論考」「哲学探求」は、哲学・思想界に大きな影響を与えた。 彼は哲学が思考できる領域に限界があるとし、言語により語りうる領域でしか議論することはできないとした。


◆ノーム・チョムスキー

チョムスキーは「現代言語学の父」と評され、また分析哲学の第一人者と見なされる。彼は、コンピュータサイエンスや数学、心理学の分野などにも影響を与えた。言語学に数学を持ち込んだ人物でもある


◆デヴィッド・リカード

『経済学および課税の原理』にて比較優位による自由貿易の優位性を唱えたことで知られる経済学者。比較優位については現代のグローバリズム経済につながる重要な理論であり、リカードは「近代経済学の創始者」として評価されている。

◆ピーター・ドラッカー

「マネジメントの父」 と称される経営学の第一人者。ドラッカーの経営理論は世界中の経営者に影響を与え、GE元CEOであるジャック・ウェルチ、ソニーの盛田昭夫、ユニクロの柳井正、イギリスのサッチャー首相などが影響を受けて入る。また、父親は秘密結社フリーメーソンのグランドマスターであると自著に記している。日本においては「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」によって一大ブームとなった。


◆ベンジャミン・グレアム 

「バリュー投資の父」「ウォール・ストリートの最長老」と称される経済学者、投資家。世界一有名な投資家ウォーレンバフェットの育ての親としても知られており、彼が記した『賢明なる投資家』は現在においても投資家のバイブルとなっている。


◆ポール・クルーグマン

2008年のノーベル経済学賞の受賞者。 レーガン政権の経済諮問委員会上級エコノミストを務めたほか、世界銀行(国際復興開発銀行)、国際通貨基金(IMF)のエコノミストなどを歴任。経済学者として世界各国の金融政策を批判している。


◆ジョセフ・E・スティグリッツ

ミクロ経済学などの分野において影響力のある論文を発表した経済学者。反グローバリズムを唱え、世界金融危機の勃発を予言した数少ない経済学者の一人である。彼が執筆した『スティグリッツ 入門経済学』は、ポール・サミュエルソンの『経済学』以来の教科書の決定版との名声を得ている。また、 彼は日本で一時期慶應義塾大学で客員教授を務めていた。
 

◆アブラハム・マズロー

「人間性の心理学」「完全なる経営」「完全なる人間」などの著書で知られる心理学者。彼が提唱した理論「欲求五段階説」は、心理学のみならず、マーケティングの分野でも応用されている。


◆クロード・レヴィ=ストロース

「悲しき熱帯」「野生の思考」などで知られる社会人類学者。 野蛮人と言われる未開人であっても、西洋人と変わらない高度な思考を持っていると唱え、彼の思想は人類学のみならず、哲学や社会学にも影響を与えた。


◆リチャード・P・ファインマン 

『ファインマン物理学』「ご冗談でしょう?ファインマンさん』などで知られる物理学者。マンハッタン計画にも参加し、2名の科学者の命を奪ったデーモンコアを素手で触ったこともある人物である。1965年に量子電磁力学の発展に貢献したことにより、ノーベル物理学賞を受賞している。


◆ フリッツ・ハーバー

ドイツ出身の物理化学者、電気化学者。空気中の窒素からアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法で知られる。第一次世界大戦時に塩素を始めとする各種毒ガス使用の指導的立場にあったことから「化学兵器の父」と呼ばれることもある。妻であるクララ・イマーヴァールは、夫の毒ガス兵器の開発に反対し、抗議のために自ら命を絶った。彼が発明した「ハーバー・ボッシュ法」は、現在の化学肥料の生産に用いられ、農業の生産性に多大な影響を与えている。また、海水から金を取り出す実験も行なったことがある。


◆グレゴリー・ピンカス

カール・ジェラッシと共にピル(経口避妊薬)を開発者した化学者。ピンカス家の言い伝えによるとIQ210の神童であったとのことであるが、コーネル大学を卒業後、ハーバードで博士号を取得した時は、まだ24歳にしかすぎなかった。その後ケンブリッジ大学、カイザー・ウィルヘルム研究所留学を経て、27歳でハーバード大学講師、28歳で同助教授に就任した。(医学書院:〔連載〕続 アメリカ医療の光と影  第74回 より)


◆ロバート・オッペンハイマー

第二次世界大戦当時ロスアラモス国立研究所の所長としてマンハッタン計画を主導。卓抜なリーダーシップで原子爆弾開発プロジェクトの指導者的役割を果たしたため「原爆の父」として知られた。

弟のフランクが、後日ドキュメンタリー映画『The day after Trinity』の中で語ったところでは、世界に使うことのできない兵器を見せて戦争を無意味にしようと考えていたそうだが、人々が新兵器の破壊力を目の当たりにしてもそれを今までの通常兵器と同じように扱ってしまったと、絶望していたそうである。 また、戦後原爆の使用に関して「科学者(物理学者)は罪を知った」との言葉を残している。

終戦後の赤狩りにより、オッペンハイマーは私生活も常にFBIの監視下におかれるなど生涯に渡って抑圧され続けた。
(Wikipedia:ロバート・オッペンハイマー より)


◆エドワード・テラー

ハンガリー生まれでアメリカに亡命したユダヤ人理論物理学者であり、アメリカの「水爆の父」として知られる。ローレンス・リバモア国立研究所は彼の提案によって設立された。


◆カール・セーガン

「テラフォーミング」「宇宙カレンダー」といった理論を提唱し、科学番組「COSMOS」で一躍有名となった。女性宇宙飛行士の山崎直子は、彼の著書である「COSMOS」に強い影響を受け、宇宙飛行士を目指すきっかけの一つとなった。


◆エドワード・ウィッテン 

超弦理論において「M理論」を提唱した理論物理学者。現在はプリンストン高等研究所教授。物理学科の教授でありながら1990年にフィールズ賞を受賞した。


◆ブノワ・マンデルブロ

フラクタル理論を提唱した数学者・経済学者。フラクタルとは樹木や雲、海岸線などの自然界にある複雑な形状を、同じパターンの図形で表す数学的概念。フラクタルによって描かれる図形は、全体像と図形の一部分が相似になる性質があり、このような性質を自己相似性と呼ぶ。フラクタルは、コンピュータグラフィックスにおける地形や植生などの自然物形状の自動生成のアルゴリズムとして用いられることも多い。

◆トーマス・クーン

「パラダイムシフト」という概念を考案した科学者、思想家。パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。


◆レイ・カーツワイル


人工知能の知性が人間を超越するという「シンギュラリティ」という理論を提唱したことで知られる未来学者・科学者。2005年に発表した「The Singularity Is Near」では、遺伝子およびバイオてクロノジーの驚異的な進歩、場所に依存しない高速ブロードバンド通信、家庭用ロボット掃除機の出現、VR技術の普及、などを予言し見事的中した。2012年にGoogleに入社する。Googleでは、AI開発の総指揮をとり、大脳新皮質をコンピューターシミュレーションしようというプロジェクト「Neocortex Simulator」に取り組んでいる。


◆ジャレド・ダイアモンド 

『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』『昨日までの世界』『人間はどこまでチンパンジーか?』『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』などで知られる進化生物学者。生物学と地理学を組み合わせた斬新な理論は、世界中で大きな反響を呼んだ。1998年ピューリッツァー賞を受賞している。

◆ユヴァル・ノア・ハラリ

著書『サピエンス全史』は2011年にヘブライ語で出版された。2014年には英語版が出版され、ヘブライ語版はイスラエルでベストセラーとなり、その後30に迫る数の言語に翻訳された。学界のみならず一般の人々の関心もかき立てたためハラリは一躍名声を得た。彼はヴィーガンであり、同性愛者でもある。



《著名なユダヤ人 〜作家・芸術家編〜 》

◆アイザック・アシモフ

ハインライン、アーサー・C・クラークと並び三大作家SF作家と呼ばれる大御所作家。代表作に「われはロボット」「鋼鉄都市」「夜きたる」などがあり、ロボット三原則を生み出したことでも知られて入る。彼は生涯で500冊以上の書物を執筆し、SF業界のみならず、現実のロボット工学にも絶大な影響を与えた。

◆スティーヴン・スピルバーグ

「ジョーズ」「ET」「未知との遭遇」「インディ・ジョーンズ」「ジュラシックパーク」「プライベートライアン」などで知られる映画監督。「ミュンヘン」 「シンドラーのリスト」などユダヤ色の強い映画も製作しており、ジョージルーカスと並び、最も有名な映画監督の一人。

◆スタンリー・キューブリック

「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」「フルメタル・ジャケット」「博士の異常な愛情」などで知られる天才映画監督。徹底的な完璧主義者で知られる彼の作品は、公開後数十年が経過しても色褪せることはなく、熱狂的なファンを生み出し続けている。


◆オリバー・ストーン

『プラトーン』『ウォール街』『JFK』『アレキサンダー』『ワールドトレードセンター』『ウォール・ストリート』『スノーデン』などで知られる映画監督。彼が来日した際には、オリバー・ストーンは広島市・長崎市・沖縄県を訪れ、原爆資料館や米軍基地反対の沖縄住民の元を訪れた。父ルイスはユダヤ系の株式仲買人で、母はフランス系のカトリック教徒であった。


◆クエンティン・タランティーノ
『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』『キルビル』『イングロリアスバスターズ』『ジャンゴツナられざる者』などで知られる名監督。レンタルビデオショップ店員時代に、大量の映画に埋もれ働きながら脚本を書いた。この当時に培った映画の知識が、後の映画制作に役立っている。彼のIQは160とも言われている。


◆ ハンナ・アーレント

 「人間の条件」「イェルサレムのアイヒマン」などで知られる女性哲学者。ドイツ親衛隊の隊員だったアイヒマンがモサドに捕らえられ、エルサレムで裁判が行われると彼女はそれを傍聴した。そしてアイヒマンは極悪非道な人間ではなく、ただ命令に従って任務を遂行した小心者の無能であると主張し、「悪の凡庸さ」を訴え大論争を巻き起こした。


◆アイン・ランド

「水源」「肩をすくめるアトラス」などで知られる女性作家。アイン・ランドは米国の政治家や企業経営者の中に信奉者が多く、リバタリアン(自由放任主義者)と言われる政治思想の形成を促した。特に「肩をすくめるアトラス」は「アメリカでは聖書について人々に影響を与えた作品」と称されている。


◆ビクトール・フランクル 

ナチスドイツによって強制収容所に収容され、地獄なような日々を生き抜いた。強制収容所での体験を綴った「夜と霧」は、絶望の淵に佇む世界中の人々に勇気と感動を与えた。


◆アルビン・トフラー

「第三の波」 「未来の衝撃」「富の未来」などで知られる作家(未来学者)。第一の波を人類が農耕を始めた農業革命、第二の波を機械による大量生産を可能にした産業革命、第三の波をコンピュータやインターネットによる情報革命とする理論を1980年に提唱し、彼が予言した情報化社会は現実のものとなった。


◆フランツ・カフカ 
「変身」「城」「審判」などの作品で知られる作家。ジェイムズ・ジョイス、マルセル・プルーストと並び20世紀の文学を代表する作家と見なされている。

◆アーサー・ケストラー

「機械の中の幽霊」「ホロン革命」などで知られる哲学者でありジャーナリスト。彼の思想はサブカルチャーにも影響を与え、士郎正宗の「攻殻機動隊」や「メタルギアソリッドピースウォーカー」などで機械的観念論などがオマージュされている。また「ユダヤ人とは誰か」 では、ユダヤ民族の大半を占める「アシュケナジム」は、モーゼの民である「セファルディム」とは異なるルーツから派生したとし、旧約聖書の時代のユダヤ人とは人種的に異なるという説を発表した。

◆J・D・サリンジャー

「ライ麦畑でつかまえて」「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 「ナイン・ストーリーズ」などで知られる作家。「ライ麦畑でつかまえて」は、神山健治の「攻殻機動隊スタンドアローンコンプレックス」や「陰謀のセオリー」などで引用されている。また、アメリカにおいて(ジョンレノンなどの)有名人を射殺した3人の犯罪者が愛読していたことでも有名。


◆マルク・シャガール

キュビスムの技法を取り入れ、故郷の風物の追想や幻想を描いた作品で注目された芸術家。絵画のみならず、ステンドグラス、銅版画、彫刻、モザイク、タペストリーなどを製作した。「モダニズムの開拓者」 「20世紀最大のユダヤ人前衛芸術家」と称されている。


◆アメデオ・モディリアーニ
 ユダヤ系イタリア人画家、彫刻家。おもにパリの前衛芸術家が集まる場所で活動した。引き伸ばされた顔や特徴的な画法で注目を集めたが、薬物やアルコール依存症となり、35歳の若さで夭折した。


◆イエス・キリスト

 ユダヤ人はキリスト教徒から「キリストを殺した民」として迫害を受けてきた。しかし今日、教会の中を覗くとイエス、聖母マリア、十二使徒の像があることが多いが、これらはすべてユダヤ人である。さらにイエスは十字架にかけられて処刑されたが、これはユダヤ人の習慣ではなくローマ人の処刑法であった。(新約聖書を書いたパウロもユダヤ人)


◆ジェリー・シーゲル/ジョゼフ・シュスター

新聞記者に扮し、20世紀を代表するヒーロー「スーパーマン」の 原作者である。
以下でも紹介する2大アメコミ「マーベル・コミック」「DC・コミック」の作品は、大半がユダヤ人が生み出したキャラクター作品である。詳細については黒木頼景さんの「スーパーマンはユダヤ人だった」という記事で詳しく解説されている


◆スタン・リー

『スパイダーマン』『X-MEN』『アベンジャーズ』『ハルク』『アイアンマン』『ドクター・ストレンジ』『ソー』などの原作者であり、アメコミ界の伝説的人物。 実写映画化された自らの作品にカメオ出演することでも知られている。


◆ボブ・ケイン
ビル・フィンガーと共同で「バットマン」を創作した原作者である。


◆ボブ・ディラン

「風に吹かれて」などの名曲で知られるシンガーソングライター。グラミー賞やアカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りも果たしている。2016年にはノーベル文学賞を受賞した。


◆ジーン・シモンズ

へヴィメタルバンド「KISS」のベーシスト兼ヴォーカルとして知られている。日本のヴィジュアル系バンド「聖飢魔II」や「XJAPAN」に多大な影響を与えたと言われている。



《著名なユダヤ人 〜経営者編〜》

◆マイケル・デル(Dell)

マイケル・デルはデル社(Dell Inc.)の会長であり、1984年、わずか1,000ドルの資金を元手にデル社を設立し、既存の中間業者を介さず、カスタム・メイド(注文生産)のコンピュータ・システム製品を直接エンドユーザーに販売するという、当時の業界には先例のないビジネスモデルに基づく事業をスタートした。(DELL:経営陣紹介 より)


◆アンドリュー・グローブ(Intel)

ロバート・ノイスとゴードン・ムーアが設立したインテルに3番目の社員として入社。 メモリ事業で日本に覇権を奪われるも、メモリ事業からの撤退を決意し、同社の事業をマイクロプロセッサへと転向させ、CPUの市場シェア世界一にまで導いた。インテルを世界一の半導体企業に導いた手腕は、今でも世界中の人から賞賛されている。


◆マーク・ザッカーバーグ(Facebook)

世界最大のSNS「Facebook」の創業物語は、映画「ソーシャルネットワーク」で一躍有名となった。大学を中退した彼はSNS事業に尽力し、巨額の買収提案を拒否するなどし、社員の離脱を招くも世界最高のSNSの構築を達成する。2017年5月には母校のハーバード大学で卒業スピーチを行なっている。


◆ラリー・ペイジ/セルゲイ・ブリン(Google)

 世界最大の検索エンジンGoogle(現:Alphabet)の共同創設者。2人はスタンフォード大学在学中に出会い、「膨大なデータの集合から関連した情報を検索するシステムを作る」という共通する関心があることに気づき、検索エンジンに関する論文をペイジとの共著で執筆した。その後、スタンフォード大学の博士課程を休学し、1998年に Google 社を共同設立。Googleの創業目的はAI(人工知能)の実現だとも言われている。


◆ラリー・エリソン(Oracle)

データベースソフトをはじめとする大手ビジネスソフトウェア企業オラクル・コーポレーションの共同設立者。法人や公的機関を対象としたソフトウェアに特化しており、ソフトウェア業界ではマイクロソフトに次いで2位の規模を誇る。自宅に日本庭園を作り、京都に別荘を所有するなど親日家としても知られている。


◆ジェフ・ラスキン(Apple)

Appleの創設者はご存知スティーブ・ジョブズとウォズニアックであるが、ゼロックス社パロアルト研究所を初めに訪れ、ジョブズに施設の見学を進めたのがラスキンであった。これによりMacintoshプロジェクトが始動したが、「マッキントッシュ」というネーミングを考案したのもラスキンであった。その後、彼はジョブズと衝突し、アップルを退社することになる。


◆スティーブ・バルマー(Microsoft)

1980年、ゲイツが初めて採用したビジネスマネージャー(事業担当管理職)としてマイクロソフトへ入社、マイクロソフトの30人目の従業員となる。バルマーは、技術者肌であるゲイツに対して経営のアドバイザー的な役割を果たし、マイクロソフトを大企業に仕立て上げた立役者でもある。ビル・ゲイツとは、ゲイツが中退以前に学生寮の同じ部屋に住んでいた。第2位優等(Magna Cum Laude)で卒業し、数学と経済学の学士号を取得する。その後、経営学修士を取得するためにスタンフォード大学経営大学院にも通学したが、ゲイツに説得され中退する。 (Wikipedia:スティーブ・バルマー より)


◆リチャード・ストールマン

 UNIX互換のソフトウェア環境を全てフリーソフトウェアで開発するプロジェクトであるGNUプロジェクトの提唱者として知られるプログラマーである。GNUの代表的なソフトウェアであるGNU/Linuxは、GNUソフトウェアとLinuxカーネルを組み合わせたOSである。同じくフリーソフトウェア財団(FSF)を設立し、自由なソフトウェアのためのライセンスであるGPL(GNU General Public License)やコピーレフトの概念を創案するなど、今日のフリーソフトウェアのあり方について見過ごすことのできない多くの重要な活動を行っている。



《映画産業を作り上げたユダヤ人》 

映画産業といえばハリウッドに代表されるように、アメリカ文化を象徴する存在でもある。しかし、そんな映画産業の大半を作り上げたのがユダヤ人だというのは、意外と知られていない。20世紀初頭の映画産業は、現代と比べれば粗末な劇場で安価に楽しむ低級娯楽であり、参入障壁の低さから東欧から移住してきたユダヤ人を惹き付けた。日本人にも馴染みのある20世紀FOX、ユニバーサル、ワーナーブラザーズなどの映画会社は、以下で紹介するように、全てユダヤ人によって創設された。移民である彼らは映画産業を育て成功したが、映写機やカメラの特許を持つ発明王エジソンに特許侵害で訴えられた。彼らはエジソンの訴訟から逃れるために西海岸のロサンゼルスに移住し、それが現在のハリウッドとなった。


◆ワーナー兄弟(ハリー、アルバート、サム、ジャック)(ワーナー・ブラザーズ)

ワーナー・ブラザーズは1923年、ハリー、アルバート、サム、ジャックのワーナー4兄弟によって設立された。「名犬リン・チン・チン」シリーズが立て続けに大ヒットし、ユニヴァーサル、20世紀FOXと肩を並べるスタジオとなり、現在に至る。

なお、ワーナー兄弟はユダヤ系であったが、特にハリーとアルバートは熱心なユダヤ教徒であったらしく、サムがカトリック教徒の女性と結婚した時には反対し、義理の妹となった女性をファミリーの一員として認めなかったという。(20世紀・シネマ・パラダイス:伝説の映画製作者たち より)

◆ウィリアム・フォックス(20世紀FOX)

1934年、フォックス・フィルムと20世紀映画が合併し、20世紀フォックス映画として設立された。映画黄金時代だった設立当初よりビッグ5の一角を担い、大手映画会社としての歴史を歩む。1962年の超大作「クレオパトラ」で巨額の赤字を出し倒産の危機に陥るも、その後「サウンド・オブ・ミュージック」の歴史的大ヒットにより経営を建て直したというエピソードを残している。(アメリカのおもな映画会社まとめより)


◆ルイス・B・メイヤー(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)

1924年、映画会社三社(”メトロ・ピクチャーズ”、”ゴールドウィン・ピクチャーズ”、”ルイス・B・ピクチャーズ”)が合併してMGMが誕生した。当初より潤沢な資金に恵まれ、豪華な製作体制による大作主義で1950年代まで隆盛を極めた。しかし1960年代に入ると次第に経営が悪化し、運営規模を縮小させて現在に至る。 (同上)

◆アドルフ・ズーカー(パラマウント映画)

1912年に伝説的敏腕経営者アドルフ・ズーカーにより「フェーマス・プレーヤーズ」として発足し、1927年に「パラマウント」と改称した。早期にスタジオシステムを確立し、1920年代に始まった映画黄金時代には最大手として君臨。現在に至るまでメジャー映画会社として歴史を歩む名門中の名門。(同上)

◆カール・レムリ(ユニバーサルスタジオ)

1912年4月30日に映画会社8社と合併してユニバーサル・フィルム・マニュファクチュアリング・カンパニー(ユニバーサル映画)を設立し、社長に就任した。レムリは映画業界での成功後、故郷ラウプハイムに財政支援を行っており、1930年代にはナチス・ドイツからアメリカに移住するユダヤ人の入国手数料を肩代わりして数百人のユダヤ人をホロコーストから救っている。(Wikipedia:カール・レムリ より)

◆ハリー・コーン(コロンビア映画)

1920年、ジャックとハリーのコーン兄弟とジョー・ブラントの3人がCBC映画販売社を設立し、1924年にコロンビア社に社名変更した。コーンは独裁的かつ威嚇的なやり方で有名だった。従業員からは「ハリウッド始まって以来の完全な暴君」と呼ばれ、スタジオを「私的警察国家のように」牛耳っていると評された。従業員のやる気を最大限に引き出すため、あるいは単にスタジオでの支配力を増大させるために、暴君としての評判が壊れないよう細心の注意を重ねていたという説もある。(Wikipedia: ハリー・コーンより)


 ◆デイヴィッド・サーノフ(レイディオ・キース・オーフィアム/RCA/NBC)

日本ではあまり知られていないが、かつて存在した「RKO」という映画会社を創設した起業家である。「RKO」は「キングコング」や「市民ケーン」といった名作を生み出したが、ハワードヒューズに買収され、1957年に倒産。しかし、デイヴィッドは「RCA」や「NBC」の経営に携わり、アメリカのラジオやテレビ放送の普及に貢献した。


[参考サイト]
アメリカのおもな映画会社まとめ




《ハリウッド映画の中のユダヤ人》

ハリウッド産業を作り上げたのもユダヤ人だが、主演者である俳優や女優にもユダヤ人が多く、誰もが知るあの大スターも実はユダヤ人だったのだ。

◆ハリソン・フォード
『スターウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ブレードランナー』などに出演。2015年には自ら操縦する飛行機で墜落事故を起こすが、無事に生還した。


◆スティーブン・セガール
沈黙シリーズで有名なアクション俳優。大の日本通であり、合気道七段。1975年には日本人女性と結婚し、彼女との間に2子を儲けている。


◆デイヴィッド・ドゥカヴニー
『X-File』のモルダー捜査官役で一躍有名となった。演じたモルダーとは裏腹に、超常現象やオカルトに対しては懐疑派として知られている。ちなみにスカリー捜査官を演じたジリアン・アンダーソンは超常現象に対して肯定的である。


◆ダニエル・ラドクリフ

『ハリーポッターシリーズの』ハリー役で有名となった俳優。彼が両親と芝居を観に行っていた際、偶然同席していた映画スタッフがダニエルを見てオーディション参加を打診し、ハリー役を射止めた。2010年11月、英ヒート・マガジンが『最もリッチな30歳以下のイギリス人スターランキング』を発表し、ラドクリフは推定総資産額が約4560万ポンド(日本円で約59億5900万円)で1位にランクインした。


◆ジョナ・ヒル
『マネーボール』『ウルフオブウォールストリート』『ジャンゴ繋がらざる者』などに脇役として出演。巧みなジョークで現場を沸かせる名俳優である。


◆シャイア・ラブーフ
『コンスタンティン』『アイロボット』の脇役として、キアヌリーブスやウィルスミスを共演し、『トランスフォーマー』『ウォール・ストリート』では主役に抜擢された。警察に何度も逮捕されるなど、スキャンダル俳優としても有名。


◆ナタリー・ポートマン
『レオン』のマチルダ役、『スターウォーズ』のアミダラ女王役、『Vフォーヴェンデッタ』『ブラック・スワン』などに出演した大女優。熱烈なシオニストとしても知られており、ハーバードの学生時代に、イスラエルのパレスチナ入植を擁護する記事を記した。


◆レイチェル・ワイズ
『ハムナプトラシリーズ』『スターリングラード』『コンスタンティン』『ボーンレガシー』などに出演。6代目ジェームズ・ボンドを演じるダニエルクレイグと2011年に結婚した。


◆グウィネス・パルトロー
『セブン』『Emma エマ』『アイアンマン』『アベンジャーズ』などに出演。パルトローは、著名な17世紀のポーランド・クラクフのラビ、ダーウィド・ハッレーウィー・セガールの子孫であり 、ロシアのラビの家系Paltrowitch家は数世代に渡って33人のラビを輩出した。


◆スカーレット・ヨハンソン

『アイランド』『アイアンマン2』『アベンジャーズ』『her/世界でひとつの彼女』『LUCY/ルーシー』『ゴーストインザシェル』などに出演。父親はデンマーク系の建築家、母親はアシュケナジム・ユダヤ系の映画製作者である。


◆エヴァ・グリーン

『007カジノロワイヤル』でボンドガールを演じた。フランス語とイギリス英語を流暢に話し、現在はアメリカ英語のアクセントや日本語も学んでいる。


《著名なユダヤ人 〜経営者編2〜》


◆マーカス・サミュエル(シェル)

世界的な石油企業:ロイヤル・ダッチ・シェルの創業者。シェルの歴史は、マーカスが来日した際に横浜近郊の三浦海岸で見つけた貝があまりにも美しく、拾い集めた貝殻を持って帰国。貝殻細工の製造販売で財をなしてロンドンに開店した小さな骨董品店に始まる。企業のロゴマークである貝もこれが由来である。


◆アーネスト・オッペンハイマー(デビアス)

南アフリカの鉱山資源を牛耳る巨大企業:アングロ・アメリカンの創業者。セシル・ローズがロスチャイルド家の支援を受けて創業したダイヤモンド企業:デビアスを買収した人物でもある。デビアスは、マーケティング活動により、ダイヤモンドの結婚指輪を一般家庭に普及させ、ダイヤモンドの高級なイメージを確立させた企業である。息子のハリーは、自社のダイアモンドをイスラエルに輸出し、ダイアモンドの選別と加工をイスラエルの重要産業にした。

◆ジョージ・ソロス(クォンタム・ファンド)

ウォーレン・バフェットと並ぶ世界で最も有名な投資家の一人。彼が運営するクォンタム・ファンドは、史上最強のヘッジファンドとも言われてる。仮に1969年にクォンタム・ファンドに資産1万円を投資し、ジョージソロスに運用を任せれば1997年には資産3000万円以上になっているとも言われる。1992年のポンド危機ではイギリス政府を相手に投資戦争を行い巨額の利益を手にいれたことでも有名。


◆ハワード・シュルツ(スターバックス)


世界で最も有名なコーヒーチェーン「スターバックス」を、世界的な規模に成長させた敏腕経営者。父親は高校中退のトラック運転手であり、自身も学生時代は献血をして生活費を稼ぐなどしていた。スターバックスの一従業員に過ぎなかった彼は、イタリアを訪れた時に発見したエスプレッソ・バーに感動し、退職して自ら店を開いた。彼の開いた店はたちまち評判となり、その2年後にスターバックスを買収し、現在に至る。


 ◆ポール・ジュリアス・ロイター
通信社ロイターの創業者。
フランスのアヴァス通信社で通信社の経営を研究した後、ロンドンに移り「正確かつ迅速」なニュースの集配で信用を築き上げる。1851年には英仏海峡における海底ケーブルを使ってパリの相場情報、ロンドンの金融情報を各地に配信を開始した。金融街における信用を築き東方への道を開いたロイターは1870年に元の勤務先、及びドイツのヴォルフと市場分割協定を結び、AP通信が基盤を持つアメリカを除く世界のニュースを3社で独占した。

◆マイケル・ブルームバーグ

ジョン・ホンプキンズ大学でエレクトリカル・エンジニアの学士号を、ハーバード経営大学院でMBAを取得した彼は、証券会社ソロモン・ブラザーズに入社。その後共同経営者の地位まで上り詰めたが、投資家に金融情報を提供する通信会社「ブルムームバーグ」を設立。ブルームバーグの情報端末は、世界中のありとあらゆるトレーディングオフィスに必ずと言っていいほど設置されている。2002〜2013年にはニューヨーク市長を勤めている


◆アラン・グリーンスパン

アメリカ合衆国のマネタリスト経済学者。1987年ロナルド・W.レーガン大統領から FRB議長の指名を受け,ポール・ボルカー議長のあとを継いで就任。その後もジョージ・H.W.ブッシュ,ウィリアム・J.クリントン両大統領から指名を受け,2006年まで第13代連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めた。 ※FRBはアメリカの中央銀行であるが、民間銀行である


◆ベン・バーナンキ

アメリカ合衆国の経済学者であり、第14代FRB議長(連邦準備制度理事会)。デフレの克服にはヘリコプターから紙幣をばらまくような大胆な金融緩和が有効、との見解を示したことから、ヘリコプターベンの異名をとる。


◆ジャネット・イエレン

アメリカ合衆国の経済学者であり、第15代連邦準備制度理事会(FRB)議長。FRB史上初の女性議長でもある。オバマ大統領は、イエレン副議長、バーナンキ議長と共に臨んだホワイトハウスでの指名セレモニーで「ジャネットは議長として並外れた能力を持った人物」と指摘。「市場や経済がどのように機能するのかについて、理論的にも、実体経済の観点からも深い理解を有している」と評した。


◆ジョセフ・ピュリッツァー

新聞等の印刷報道、文学、作曲に与えられる米国で最も権威ある賞であるピューリッツァー賞は彼にちなんで創設された。彼は今日の大衆紙の原型を築き上げたといわれている。また、「ワシントンポスト」や「ニューズウィーク」紙のオーナーである「キャサリン・グラハム」もユダヤ人である。


◆カルバン・クライン

世界中で愛されるファッションブランド「Calvin Klein」を創設した経営者である。映画「バックトゥザ・フューチャー」では、主人公マーティ・マクフライがカルバンクラインの下着を愛着していた。また、ライバルブランドである「ラルフ・ローレン」を設立したのもユダヤ人である。


◆リーヴァイ・ストラウス(リーバイス)

 世界中の若者が着用しているジーンズを発明した「リーヴァイス」の創業者。ストラウス家はカリフォルニア・ゴールドラッシュの商業の中心だったサンフランシスコの西海岸で、ファミリーによる織物類のビジネスを開設することを決めた。当時はゴールドラッシュの最盛期であり、ストラウス家は金の鉱山労働者が衣服や縫製の需要を持っていると目ろんだ。彼らはテントや荷馬車の幌を作るためにキャンバス帆布を準備し、鉱山労働者に販売した。ジーンズは最初、鉱夫らの作業着であったが、のちに世界中の若者が着用することになる。(Wikipedia:リーヴァイ・ストラウス より)


◆ドナルド・フィッシャー (GAP)

全米最大のアパレル企業「GAP」の創業者。当初は学生時代に専攻していた不動産ビジネスを行なっていたが、1969年にリーヴァイスのジーンズやレコードを販売する小売店として、GAPを開店した。1976年には上場を果たし、プライベートブランドを設立するなどして現在に至る。彼の経営スタイルはユニクロなど、世界各国のカジュアルブランドに影響を与えた。

◆ミハエル・コーガン(TAiTO)

タイトーの創業者であるコーガンは、満州国出身のユダヤ人であり、ロシア革命の混乱を避けるため満州のハルビンに移住。1950年に再び来日。「太東洋行」という個人営業の輸入会社を始め、世田谷の仮住まいで雑貨の輸入業を営んだ。「太東」とは、極「東」と猶「太」人、すなわち「極東のユダヤ人」の意であり、みずからの民族的出自を示している。ウオッカの醸造・販売、ジュークボックス、パチスロ、ピンボールゲーム、クレーンゲームなど、同社が日本で初めて行ったもの数知れない。社会現象を巻き起こした「スペースインベーダー」は、ゲーム史上に残る伝説である。(歴史放談:タイトーの創業者はユダヤ人!? より)

◆デビッド・ローゼン(SEGA)

 1954年にアミューズメント機器会社「ローゼン・エンタープライゼス」を設立。この会社がセガの母体の1つとなる。1965年に「日本娯楽機械」と合併し、「セガ・エンタープライズ」が誕生し、ローゼンが社長に就任した。アーケードゲームを始めとする、数多くのゲームを世に送り出し、ゲーム産業を成長に大きく貢献した。彼の生涯については魔法使いの森:デビッドローゼン 誕生日(1930) に詳しい


◆ジュリアス・ローゼンウォルド(シアーズ・ローバック)

世界一の通信販売会社「シアーズ・ローバック」創業者である。ローゼンウォルドは、シカゴで、通信販売事業で財をなした起業家のリチャード・ウォーレン・シアーズ(同じくユダヤ系)と出会い、メール・オーダーによるカタログ販売を始めた。「品物に不満があれば返金」を保証するという制度で、広告キャンペーンを行ない、顧客ニーズに対応した。


◆ジョゼフ・シーゲル(QVC)

24時間テレビショッピングを放送する専門チャンネル「QVC」の創設者であり、テレビ通販の生みの親。彼はもともと、収集家向けの記念コインを鋳造する「フランクリン・ミント社」を経営していたが、テレビショッピングの将来性に注目し、1986年に「QVC」を創業する。最初の商品は$11.49のシャワーラジオであった。当初は1日16時間放送で、1987年初頭に24時間放送に拡大した。公開会社として創業後1年間の売り上げが当時最大(112百万ドル)を記録した。


◆ユージン・ファーコフ(Korvette)

ウォルマートに代表される郊外型巨大ディスカウント・ストアの原型である「E. J. Korvette」の創業者。アメリカでは、百貨店や食品スーパー、GMS(General Merchandise Storeの略で日本語では総合スーパー)などが小売業の中心でしたが、1950年代後半に、新たな業態としてディスカウントハウスが現れます。ディスカウントハウスとは、ユージン・ファーコフ氏が1948年に始めた旅行鞄や電気製品を安く売る「EJコルベット」が起源となっている(ディスカウントショップの歴史 より)。


◆ネイサン・ハンドワーカー (ネイサンズ)

1916年に世界初のファストフード店「ネイサンズ・フェーマス」を創業。同社はアメリカ合衆国を中心に、ホットドッグを専門とするファーストフード・チェーンを展開する企業である。ホットドッグはベーグルなどのように、ユダヤ料理の伝統から生み出されたという説がある。


◆ウィリアム・ローゼンバーグ(ダンキンドーナツ)

アメリカのファーストフードチェーン店「ダンキンドーナツ」を創業した起業家。1946年にクィンシーの工場労働者のためにトラックでサンドイッチなどの販売をはじめたが、ドーナツとコーヒーの売り上げが大きいことに気づき、1948年にドーナツの専門店「Open Kettle(オープンケトル)」という店をはじめる。1950年に、現在の「Dunkin' Donuts(ダンキンドーナツ)」に名称を変更した。

◆ベン・コーヘン/ジェリー・グリンフィールド(ベン&ジェリー)

ペンシルバニア州立大で受講料5ドルのアイスクリーム製造通信講座を学び、12,000ドルの投資をし(うち4,000ドルは借りました)、ベンとジェリーはアイスクリームスクープショップの1号店を、バーモント州バーリントンにあるガソリンスタンド跡にオープンさせた。

1978年、カネなし、人脈なし、落ちこぼれの2人組が、人口約4万人の小さなまちのガソリンスタンドを改装した1軒のアイスクリーム屋から始まったベン&ジェリーズは、今や日本を含む世界35か国にひろがり、世界のみんなを幸せにする企業に成長しました。(greenz.jp: ベン&ジェリーズ創業者 ジェリー・グリーンフィールドさんが語る、人を幸せにするヒッピー企業経営論より)


◆チャールズ・ラザラス(トイザらス)

1948年、アメリカ・ワシントンで子供家具・洋品店「Children’s Bargain Town」を創業したチャールズ・ラザラスが玩具専門コーナーを設けたことに始まる。社名はそのラザラスの名前とおもちゃを意味する英語・トーイから絡ませた。その後世界各地に店舗を誘致するようになる。日本においては、藤田田が日本法人設立に携わり、「R」だけを反転させた表記に倣って、「ら」だけをひらがなにした日本語表記を考案、命名した。(Wikipedia:トイザらス より)

◆レイ・クロック

言わずと知れた世界最大のファーストフードチェーン「マクドナルド」の創業者。厳密には「Macdonald」はマクドナルド兄弟が初代創業者であるが、効率的な調理システムに感銘を受けたレイクロックがフランチャイズ権を獲得した。しかし、FC加盟店から支払われるロイヤリティの分配比率を巡って対立する。窮地に陥ったレイクロックを救ったのが、のちのマクドナルドコーポレーションの初代社長「ハリー・ソネボーン」である。彼はマクドナルドは飲食業界ではなく、不動産業界であるとアドバイスし、土地と店舗の権利を本部が握り、FC加盟店にリースするという形で賃料を取るというビジネスを考案し、店舗数と事業の拡大に成功した。レイクロックは藤田田や、ファーストリテイリングの柳井正に強い影響を与えたことでも知られている。

◆藤田田(日本マクドナルド)

ファーストフードの代名詞「日本マクドナルド」の創業者。東大在学時に経験した通訳のアルバイトで一兵卒にも関わらず、裕福な生活を送るユダヤ人の能力に感動し、東大在学中の1950年(昭和25年)に輸入雑貨販売店「藤田商店」を設立。彼自身はユダヤ人ではないが、「銀座のユダヤ人」を自称し、彼が執筆した「ユダヤの商法」は、今でも経営者の間で伝説となっている。ソフトバンクの創業者である孫正義は、高校1年生の時に「ユダヤの商法」を読んで深く感動し、藤田田を半ば強引に訪問した。渡米に際して助言を求めた孫は、藤田から「コンピュータの勉強をするといい」とアドバイスされ、これを実行した。

[未編集]
◆ホーム・デポ
◆99センツ・オンリー・ストアーズ (ワンコインショップ第1位)
◆ファミリー・ダラーストアーズ (ワンコインショップ第2位)
◆ビリージョエル
マイヤー・ランスキー
ベンジャミン・シーゲル
ジェイコブ・シフ
ジャレッド・クシュナー
ヴィダル・サスーン
ヤコブ・シフ
サッスーン家
ジョン・ポールソン
デビッド・テッパー
イケル・バーリ
シトロエン(フランスの自動車会社)
ジャック・アタリジェームズ・ゴールドスミス
アイヴァン・ボウスキー
ジャック・ブラック
ノーバート・ウィーナー
ウィリアム・ジェイムズ・サイディズ
ポール・エルデシュ
マービン・ミンスキー
ポール・サミュエルソン
ハーバート・サイモン
ジョナス・ソーク
リーゼ・マイトナー
ロザリンド・フランクリン

 


いかがだったろうか。紹介した人物はどれも、1記事どころか何冊も本をかけるほどの業績を残しており(実際に本になっている)、その業界では知らないものはいない人物ばかりだ。だが紹介したユダヤ人は誰もが知る有名な人物であり、マイナー人物も含めればこのリストは膨大なものとなる。このように、多種多様な業界で活躍するユダヤ人の存在感は計り知れないものがある。NHKのドキューメンタリー番組では、20世紀は「映像の世紀」と称されていたが、「20世紀はユダヤ人の世紀」といっても過言ではないかも知れない。

では一体なぜ、ユダヤ人はこれほどの業績を残すことができたのだろうか?これには諸説あり、迫害や虐殺による淘汰が遺伝子レベルで頭脳を進化させたという説もあれば、自己同一性を保つために他民族と婚姻を結ばなかったことから、一種の近親交配により遺伝子に異常が生じたという怪しい説まである。

しかし最も一般的な説としては、ユダヤ人はどの民族よりも徹底した「頭脳教育」に力を入れており、「タルムード」による知的トレーニングを行なったおかげと言われている。

タルムードとは、旧約聖書に対する解釈や、ラビ(ユダヤ教指導者)の口伝が掲載されたユダヤ教の聖書である。これは紀元前500年から紀元500年までの千年間にわたる口伝を、2000人以上のラビが編纂したものであるため、全20巻、1200ページにも及ぶ膨大な書物である。ユダヤ人はタルムードを幼少期から徹底的に読み込まされ、ユダヤ人学校ではタルムードを利用して授業を行う。これを暗記するのではなく、自分なりの解釈を考え、仲間と激しい議論を交わすで、記憶力・思考力・論理能力・発想力などを鍛える。

残念ながら日本において、完全なタルムードは発刊されていないが、私が作成したTwitterのBot(タルムードの知恵) やマーヴィン・トケイヤーなどの書物でエッセンスを知ることができる。



※以下の記事でタルムードの内容を一覧にしました。興味があればご覧ください。

ユダヤ民族に伝わるタルムード


ユダヤ五〇〇〇年の知恵 (講談社+α文庫)
M.ラビ・トケイヤー
講談社
売り上げランキング: 34,812

人気の高い記事

ユダヤ民族に伝わるタルムード(talmud)には何が書かれているか?

有益かつ圧倒的な情報を提供するWeb/SNS集